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2010年5月 4日 (火)

ネクタイを締める

普段の通勤は私服ですが、たまの出張のときはスーツを着ます。スーツとなるとネクタイを締めるということになりますが、こんな感じでやってます。

義手ありの両手作業だと、ほとんど昔と変わらないスピードだと思います。でも、片手でもそれなりに結べていて、実用レベルだと思います。実際、身支度の順番でネクタイの前に装飾ハンドに付け替えているときは片手で結んでいるような日もあります。




この、「ネクタイを締める」という動作ですが、最初の病院の作業療法をやめる(中退する)原因になったテーマなんです。
当時、“利き手交換”(=右手でやってきたことを左手でできるようにする)の訓練を受けていましたが、字を書く、お箸を使うの続きで、「何かできるようになりたいことはある?」と聞かれるんですね。生活の中で困ること、自分がいつもやってきたことを挙げると、それができるような工夫やコツを教えてくれたのだと思うんです。順調に行っていたら...
まだ、外泊もしたことがなく、病院の中でしか生活していなかったのでこれといって困っていることが思い浮かばず、なんとなく「ネクタイ」というのをネタ出ししてみました。
毎日ネクタイ生活というわけではないので、できないからといって困るわけではないのですが、難しそうな気がしたので。
作業療法士さんは数日考えてくれましたが、「ネクタイは、片手では無理だと思う」との答えが返ってきました。
やっぱり難しいんだ、と思いつつも、本当にできないんだろうか?と思って、家からネクタイを持ってきてもらって病室でやりはじめました(なにせ暇でしたから)。そうしたら、意外にもできるようになったんですね。
当時は、100%受身で訓練を受けていて、自分の“ああしたい”“こうしたい”が出始める前の時期だったのでしょう。
字を書いたりご飯を食べたりというのは毎日やることだから、慣れるにつれて上手くなる気がしていました。ネクタイができたことで、時々やるようなことでも、どうしたらできるか考えながら挑戦すると解決方法が見つかるという希望が持てるようになりました。

その後、知り合いに紹介していただいて、育休中の作業療法士さんに、個人的にお話を聞かせていただくチャンスがありました。その方によると「工夫次第でほとんどのことができるようになる」そうです。
茶碗が持てなくてご飯が食べにくければ、机に滑り止めを敷く、野菜が切りたければ、まな板に釘を打ち付けて野菜を串刺しにして固定する、など、見たことも聞いたこともなかった仰天アイデアを普通のことのように教えてもらって何とかなりそうな希望を持てたのと、「考えながら挑戦すると解決方法が見つかる」と、ネクタイのときに感じた自分の直感が裏づけされたような印象的なひとときでした。
後に、義手の訓練でお世話になった病院で、釘付きのまな板はじめ、いろんなお助けグッズ(自助具)を見ることができ、育休OTさんのことを思い出しました。
今は、解決法をご存知の場合も多いので、まずは専門家(作業療法士さん)に相談してみるのが早道かなと思います。

余談ですが、この育休OTさんは、上肢切断患者さんを担当されたご経験もあるそうです。義手の訓練にも取り組まれたそうですが、ご本人が大きなメリットを感じられることがなかったようで、義手は作られなかったそうです。
すりやは、義手がとても便利なものと感じているので、いつか、またお話しするチャンスがあれば、このあたりのことをおはなしできたらな、と思っています。

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