義手マニア

2011年11月12日 (土)

富三郎、プチ改造

新しく富三郎Ⅱ(能動義手)に生まれ変わったすりやの義手ですが、これは、その直前の準備段階のお話です。
富三郎は、製作時(義手の訓練で入院中でした)にできるだけのことを試し、いろいろ注文をきいていただいて納得の出来でしたが、能動義手一作目ということもあり、敢えて挑戦せずに堅実な(安全な)選択をした部分もありました。肩口のデザインもそのひとつ。
富三郎は、肩をすっぽり覆うように作られていました。これによって下向きの力が肩にかかるので、荷物や義手自身の重さが感覚的に軽減される効果があるそうです。一方で、肩が覆われているため、肩の動き、特に腕を真横にあげる動き(外転)は制限されます。
肩を自由に動かそうと思えば、この覆いを無くせばよいのですが、そうすると、今度はひっかかりが無くなって下向きの重みがすべてハーネス(操作と固定のためのベルト)にかかるようになり、義手や荷物が重たく感じられるようになります。
どちらをとるかなのですが、当時は少しでもラクになるようにと、すっぽり覆うタイプにしていただきました(主治医先生、OT、POさんも一致したご意見でしたので)。
でも、覆いがない方が開放感があるように感じられます(夏の暑さも解消するかもしれません)。だいたい、そんなに重さに耐えられなくて大変なことになるのだろうか?という疑問もあります。
これは、試してみないと分からないこと。
だから、富三郎Ⅱに変わる直前に、肩口をえぐるように削り取ってもらい、一月ほど様子を見てみることにしたのです。
試してみた感想は次のようなものでした。

・右腕(義手)の外転(横方向に振り上げる)可動域は、変わらない
 (90度付近から自重で抜け落ちそうになるため、振り上げられない)
・肩は露出するが、断端、上半身の暑苦しさはさほど改善しない
・服を着た状態でも、断端を義手から抜くことができるようになった
 →座っているときにこっそりリラックスできて都合よい(○)
 →義手が抜けやすくなったので、歩行時はやや頼りない(△)

結果、「差し引きして使い勝手はさほど変わらない」と感じたので、新しいソケットも従来どおり肩を覆うタイプでお願いしました。つまり、デザイン変更なしです。
お試しのプチ改造で協力してくださった義肢装具士さんは、「やはり、そんな感じですよね(=予想通り)」とのコメント。長年のご経験で分かっている結果だったようですが、すりやのために何も言わずに作業してくださったようです。いろいろやって、結局、元通りなので、ちょっと申し訳ないのですが、おかげさまで、気になっていたことを確認でき、迷いなく富三郎Ⅱの製作をお願いすることができました。感謝。

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左:自由度を高めようと肩周りをえぐった状態。およそ期待通りの形になっています。
右:検討の結果、肩を覆うように(以前と同じ形に)作ってもらった富三郎Ⅱ

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